コロンナ家とヴァンヴィテッリ。

ヴァンヴィテッリの間に展示されている39枚の絵画作品を写真入りで解説した新版

ァンヴィテッリと呼ばれていたガスパル・ヴァン・ヴィッテル(1653-1736)の39枚の絵画は、歴代コロンナ公の信託遺贈コレクションの重要な一部です。

作品はローマのコロンナ宮殿内イザベッレ王女の居住区にある、その名もヴァンヴィテッリの間に展示されています。

ヴァンヴィテッリにとってコロンナ家は主要な後援者で、彼は1674年頃ローマへやって来ると当家三代の為に創作活動に励みました。ロレンツォ・オノフリオ・コロンナから始まりその息子フィリッポ、そしてさらにその息子のファブリツィオの為に最後のキャンバス画『アウグスト橋と街(1732)』を仕上げるまで、かの画家は絵を描き続けました。

その描写技術やサイズ、題材という観点からもコロンナ家の蒐集は群を抜く貴重なもので、ローマ、ナポリ、ヴェネツィアの選りすぐりの風景や、大サイズのキャンバスに展開される開放感など、作家の若い才気のみなぎりが認められます。

ヴァンヴィテッリは初期の風景画家を代表する一人で、当時の日常生活を忠実に描写していました。それゆえ都市部の情景を彩る色調や人物像などの貴重な情報を今日の私たちに伝えてくれています。

彼の絵の前に立った時、人は時として昔懐かしいような情景を目の当たりにし、観る者を過去へと引き戻す大いなる魅惑の旅へと誘われるのです。

著名な建築家ルイジ・ヴァンヴィテッリの父親でもあるガスパル・ヴァン・ヴィッテルは、カナレットやグァルディ等の1700年代の偉大な風景画家達に影響を与えました。

カラー写真入り作品集、22㎝X22㎝、64ページ